日進ムーンウォーカー

Alien to people, Behind people, Closed to people, Distant from people, Eliminate me Fujita

筆不抄(11):合格体験記への注釈について

直近の2記事の推敲の過程で、受験が作り出す異質な時空間に呑まれていた過去を具に語ることによって、しがらみとしての過去を清算し、遺産としての過去を整頓することができるとの確信を得た。

現在、私が対外的に書いた最後の受験反省文は、高校の進路の手引きに寄せた合格体験記である。このとき、体験記には謙遜するような文句文章を散りばめていながらも、私の自己肯定感はほぼ限界まで膨張していた。淡い全能感にドロドロに酔っていた時期である。本文中のいくつかの文言について、興奮が完全に醒めて冷たくなった(ダブルミーニング)現時点の私が注釈を加え、不正確な表現や説明不足の部分を補う必要が、(例え誰にも読まれなかったとしても)個人的に出てきた。そういう記事である。

初見の方は、「ウキウキのバカが、自分がこれから勉強・部活・バイト・生活で挫折し真正ゴミクズ大学生に堕ちるとも知らないで書いた合格体験記」だと思って読んでほしい。きっと失笑で爆笑(?!)すると思う。

 

在校生の皆さんこんにちは。みなさん*1の役に少しでも立てるように自分の受験について話していこうと思います。

...と、昨年名大に合格された先輩は、このように合格体験記を始めました*2。ということで、自分も皆さんの役に少しでも立てるように話そう、と思ったのですが、自分は皆さんの役に立ちそうな必殺・受験攻略法などは全く持ち合わせておらず*3、それどころか、むしろみなさんの厄に立ちかねない駄弁の用意しかありません。すみません。ですが、きっとマメマメしいことごとは、前後のページの方々がキチンと書いてくれてます!*4自分は、合格体験記と、こう題してあることなので、なんとなくこの一年の所感などを書こうと思います。長くなりそうなので、任意で頬杖をご用意ください。*5

ところで、受験、とは一体何だったのか...*6。どうも、いくついくつより偏差値の低い大学に入ったら人生お先真っ暗、SEKAI NO OWARI...*7、というような、由来の知れない催眠が瀰漫*8している気がします*9。その催眠理論を強力に支持しているのは、受験および受験勉強の成績が、そのまま彼の知能や能力に直結するという考えなのでしょうが、それはおおよそデタラメであると思います*10

受験については、要は、知るべき、分かるべきものを、知っていて、分かっていればいい。知らないなら知ればいい、分からないなら分かればいいだけ。努めてかなわないなら、方法を改めるなどする。これら以外に一体どんな方策があるのか、ちょっと自分には思い当たるところがありません*11。別に何か一芸なくても、日頃は間が抜けていても*12、入試当日問われることについて知って分かっていればいい。とこう考えると、非常にシンプル。そこで自分も大いに惑って、秋口には「ほんなら阪大京大も射程圏内では...。」などとスーパー僭越かましましたが、それはしっかり黒歴史になりました。

分際をわきまえる、というフレーズは、必ずしもネガティブな文脈でのみ用いません。己の力量を見定めるために、自分の持つ数字や感覚を適切に解釈する必要があり、そしてそのためにはどうしても、先達はあらまほしきことなり*13。独力ではあまりにも不利だと思います。We need someone to lean on*14!受験校についても、自分の能力が100%、120%反映できるように大学を選びたいです。文一でも目指せそうな公立大学があったり*15、有名大学にもいわゆる"穴場"学部があったり...コスパ良く、最短距離を最速で!

この議論が成立するのか確証は持てないですが、まだ受験の日まで時間がある今のうちなら、例えばみなさんが最終的に東大に受かるという可能性を全否定することはできないはずです*16。諸々の可能性は、当然検証されなければ発見されないものです。検証せずじまいにするのは非常に惜しいように思われませんか!ただ、可能性は日に日に萎縮していきます。今日から始めなければ、明日からではもう可能性が十分でなくなる人だっているはずです*17。つまり、今日始めなければもう志望校に落ちる、という人がいるかも知れないということです。とにかく何か、手を打てれば...*18別に、単語帳や用語集を眺めるぐらい、ミジンコにだってできます*19

ミジンコにはできないか*20

さっき言った黒歴史の時期に、完全に調子に乗っていた私は、とある冠模試*21を受験しました。その国語で、どの設問も枠ギリギリまで記述して、それですっかり得点した気になって満足していました。そしてその後、答案返却がされたので、意気揚々として見ると、国語の偏差値が...39、でした。百度見はしました*22かなり動揺して、何かの間違いじゃないかと思って答案を見たところ、これだけ、これだけ枠ギリギリまで記述してあるのに*23、赤で斜線が一本と、その上に丸が一つ書かれているだけ!本当にわけが分かりませんでした。その丸がゼロだと気づかなかったぐらいには、わけが分かりませんでした。現実を思い知った時分には、もう冬でした...*24

そこで、なんとなくこのまま受験はなんとかなりそうな気がしてきたら、速やかになにか堅牢な壁にぶつかってください。分からないことが分からないのが一番いけないです。反対に、壁に包囲されて身動きとれないときは、とりあえず一つの壁に標的を絞るといいと思います。ぜひ、気負ってください。ぜひ、気負い過ぎないでください*25

都合上、省略)。ただ血を流すほど勉強しても問題なのはその内容であって、気概は人一倍なのだろうと思いますが、経験上、どうも最後までけっこうピンピンしている人の方が良い結果に恵まれている気がするので、冷静に取り組むことをおすすめします*26。ただ、かく言う自分も、実は血を流しました。11月頃に、チャリで転倒して顔面をアスファルトでぶち、そこそこ出血しました。夜道は気をつけてください*27

長々失礼しました。けっこう自由に書きました。あたかも受験の何たるかを悟ったような書きぶりでしたが、この志望校合格の功は、ほとんど*28自分以外の方々の助力の上に成ったものです。それと所感を書くとかなんとか言って、結局、偉そうにとやかく指示してしまってすみません。ただ、ここは最後まで偉ぶって、受け売り格言2連発で締めたいと思います。参ります*29

正攻法は成功法!焦るな急げ!熱盛!

失礼しました、熱盛と出てしまいました*30

 

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紙ゴミ

 

*1:漢字で統一してほしい。

*2:平成30年 日進西高校「進路の手引き」40頁。

*3:あたかも地頭・基礎学力だけで受験を制したかのような傲慢な書きぶり。それでいて遜ったような物言いが非常に癪に障る。

*4:ここで「前後のページ」と私が書いたのに編集の先生が細やかに気を遣って、前後に他の方の体験記を配置して下さっていることに今まで感動していたが、よく見たらクラス順だったので、感動が醒めた。

*5:もうしてます。余計なお世話。

*6:これを読んだであろう高校生諸君は当然まだ受験していないので、「何だったのか...」などと問われても「知るか」といった感想を抱いたであろうことを推察する。

*7:セカオワに失礼。

*8:「浸透」とかでよかったのだが、何か賢ぶってこういう言葉選びをした結果、編集をされた先生に注をつけられ、「コイツこんな訳分からん熟語調子こいて使ってるアホやで」と陰に指摘される形となった。

*9:「人々が『Fランディス』を真に受けている」と真に受けているのは、他でもない私がこの催眠から完全に自由ではないという証左ではないか。しかし、「(狭義の)Fラン大学に入学したらセカオワ」というのは正しくないにしても、「そのような大学への入学を避けられない人々はセカオワも避けられない場合が多い」という言明はある程度真実味を帯びている。

*10:知能・能力がある程度以上あるなら、その限りで程度の問題はメソッドや勉強量で全然カバーされると思う。これを書いたとき、私は「やればできる」「やり方による」論者だったが、どうもそう一筋縄ではいかない現実があるらしいのである。

*11:「頭良い」という褒め言葉が嫌いである。日頃何気なく使われる場合、要は「物知り」とか「物覚えが良い」とか「要領が良い」とかその実情は色々に言えるのであって、きっと勉強や知的な活動にロクに取り組んだことがないからそんなやっつけな言葉が吐けるのだろう。せめて「賢い」である。

*12:一芸がないことや、何か期待されてる知性的なものが自分にないことを言い訳する一文。

*13:イタい。

*14:Major Lazer & DJ Snake「Lean On ft.MΦ」の歌詞の一文より。YouTubeの公式MVの再生数が30億に迫る超ヒット曲なのだが、思いつきで要らぬ文を仕込んで編集の先生の手を少しでも煩わせたことと、この小ネタが分かって普通みたいな書きぶりをしたことをまことに恥じている。

*15:国公立信者であることが露呈する。

*16:正直、今の私なら全否定する。あくまで独断による受験悲観主義の”まどろみ”を指摘したかった一文。

*17:可能性という不可視なるパラメーターが受験の命運を握っているという仮説を提示し、読者を脅す目的の一文。以前の段落で書いた「知ること知っていればいい」という受験楽天主義と相容れるのかは要再考

*18:別に”みなさん”が志望校に落ちようがFランに進学しようが知ったことではない。

*19:いや、できないだろ。

*20:今そう言っただろ。

*21:にわか馬の骨が受験したという事実によってこの大学の学生を侮辱しているような気がするのと、模試を受験するという身の程知らずな行為の恥ずかしさに、やはり模試の名前を明かす気にならない。例え察されたとしても。

*22:百度見するほどアホだと書いている。

*23:そもそも、国語の記述で字数制限がない大学ってあんまりない。

*24:これまで可能性をにおわせ、読者を鼓舞したげな調子で文章が続いていたので、とはいいつつも偽りない現実の数字にはしかと目を据えろと(失敗談を披露することで)身を切って伝えようとする健気な段落。

*25:名誉欲が虚栄心にまで膨張すると、大概の場合受験は失敗する。

*26:心身の健康を賭して受験勉強に打ち込むことを否定する気はないが、それを殊更に周囲にアピールする人に言いたいのは、ホンモノは、受験勉強を苦には思わないということ。あるいは、健康上の問題が出るまでのめり込むことをさほど特別なことだと思っていないということ。君はそのアピールのゆえにまだ凡人であるということ。その意味で凡人の自覚があるなら別に問題はない。ただ、競争相手の戦意を削ぐのには、効果的かもしれない。

*27:ちなみに、黒歴史模試の帰り道。本来は「ライトは付けましょう」と書くべきだったのだが、「”点けましょう”の間違いではないですか?」と返されたときに、「”つけ”てなかったので...」と誤魔化しても咎めは避けられないので、このような表現になった。

*28:ここであくまで「ほとんど」と書いたところに、意地が垣間見える。

*29:「参ります」であるが、これがスピーチだったら言うべきだったが、紙面において不要な一文となっている感は否めない。

*30:予定調和。