日進ムーンウォーカー

Alien to people, Behind people, Closed to people, Distant from people, Eliminate me Fujita

すき家千種鏡池通店にまつわる掌編

 その日、名古屋大学駅~本山駅のあたりで昼飯にありつこうと自転車をフラフラ走らせていたら予期せぬ小雨に遭い、すき家千種鏡池通店で飯を済まさざるを得なくなった。

すき家で客は、入店したそばから退店を促される。すき家に入ると、気づけば”いつの間にか牛丼を食わされた”状態で、すき家から出てきている。しかし、誰もそこで訝しげな面持ちで二度見したりということはしない。すき家は不自然なほど自然に、人々に牛丼を食らわす。ちょうど生き馬の目を抜くが如く、人々の腹に死んだ牛の細切れと米を詰め込む。すき家はそういう商売をしている。

そもそもこの牛丼とかいう食物がそういう飯なのである。牛を食ったら、米を食わないといけない。で米を食ったら、今度は牛を食わないといけない。今牛を食ったので、今度は米。これを繰り返しているうちに茶碗が空になる。さっきまで茶碗に詰め込んであった牛と米は、既にない。

私のおろしポン酢牛丼も既になくなっていたが、外は依然小雨が降りしきっている。そこで私は、まさしく人類史上初めて、すき家で杏仁豆腐を注文した。人類史上初めてのことだったので、店員も気が動転したのか、店員はおそるおそる彼の実家の仏壇を持って来た。

それ、杏仁豆腐じゃないよw